診療案内
狭心症
症状
狭心症は2つのおこり方があります。
体を動かしているときに、胸が締め付けられる症状は「労作性狭心症」といいます。
このとき、ある一定以上の労作で起こる場合を「安定労作狭心症」と呼び、症状が悪化して発症の頻度が多くなったり、不定期になったりすると「不安定狭心症」と呼びます。冠動脈の狭窄がこうしたことを引き起こすのです。
もう一つは「安静時狭心症」と呼ばれる種類のもので、体を動かさずに安静にしていても起こります。
その代表的な症状である「冠攣縮性狭心症」は、冠動脈の一部が激しくけいれんを起こすことで起こります。
検査や治療法
狭心症の検査は、冠動脈の狭窄があるかどうかが問題になります。
負荷心電図をかけると「不安定狭心症」のとき、問題が起こるので、CTスキャンによる画像診断を行います。
このとき、冠動脈が著しく狭くなっていたら、労作性狭心症を考えます。狭くなっている冠動脈を広げるカテーテル手術を行います。
冠動脈が正常の状態を保っている場合は、冠攣縮性狭心症が疑われます。
これは手術で治るものではないので、お薬(持続的冠動脈拡張剤やニトログリセリン)を使います。
検査や入院
カテーテル手術は1泊入院となり、手術の翌日には仕事復帰が可能です。
また、1年後に経過観察の再検査を行います。
予防法
狭心症の予防には、いわゆるゴールデンルールは存在しません。その原因も、生活習慣をはじめ血圧、メンタル面、遺伝など、さまざまな要素が考えられます。
狭心症が心配な人は、専門医の診察を早めに受診し、予防に備えましょう。
その第一歩は、正しい生活習慣を送ることです。生活習慣の見直しを、専門医の指導のもと行いましょう。
高血圧
症状
成人の診察室での高血圧の基準は、一般的に収縮期血圧(上の血圧)が140mmHg、拡張期血圧(下の血圧)が90mmHgより下とされています。 家庭血圧はそれより5mmHg低いものが採用されております。
高血圧にはこれといった症状がなく、注意していないと放置されがちな症状です。
しかし症状が重くなると、頭痛やめまい、耳鳴りなどが起こり、重症化すると動悸や呼吸困難、足のしびれなどの症状を引き起こす場合もあります。
高血圧になると、心臓病のリスクが通常よりも3倍になるといわれています。ですから高血圧は、重症化する前に食い止めることが肝要です。
検査や治療法
高血圧の検査は、血圧計で血圧を1日1回測定し、数値に注意します。
また、血圧の状態は1日の中でも変化するので、24時間血圧計で1日の血圧の数値の変動を測定する場合もあります。
高血圧と診断されたら、まず取り組む必要があるのが、生活習慣の改善です。
規則正しい生活に努め、特に食生活は栄養バランスに注意しましょう。タバコやアルコールは控え、運動を心掛けましょう。
高血圧の原因としては、80%くらいが遺伝的なもので、本態性高血圧といわれるものです。
しかし、残りの20%くらいは2次性高血圧といって、腎や副腎、その他を問題とする場合もあり、
通常初診時にこれらを鑑別する検査を行います。
本態性高血圧とわかったとき、なかなか改善が見られない場合は、薬物療法も行います。
年齢や性別、高血圧の重症度、糖尿病や臓器障害、心血管病といった合併症の有無などを考慮し、症状にマッチした薬が選ばれます。
予防法
高血圧は生活習慣の乱れが大きな原因となっているので、まずは生活習慣の見直しを、専門医の指導のもと行いましょう。
不整脈
症状
心臓の拍動のリズムは、安静時に1分間に60~80回、規則正しく打っていれば正常とされています。しかし不整脈になると、拍動のリズムが乱れて体の不調を引き起こします。
不整脈には、脈が異常に速くなる「頻脈」と、遅くなる「徐脈」があります。
頻脈性不整脈では、特に重症化すると心室が細かく震える「心室細動」という症状が起こり、心臓が機能を停止し、放置すると死に至ります。
また、そこまでいかないものの、徐脈性不整脈では放置すれば、心臓が止まってしまう場合もあります。
心不全や脳塞栓などの合併症の原因になる可能性もあります。
検査や治療
不整脈で来院される方は、ほとんどが健康診断で引っかかったというケースです。
しかし、不整脈はいつも症状が出るとは限らないので、健康診断でパスすることも十分考えられます。また自覚症状もあったりなかったりするので、厄介です。
検査はまず病歴聴取を重視し、日常生活の中で、ドキドキするなど自覚症状がないかチェックします。
そして、実際に24時間心電図で、心臓の拍動をチェックします。
治療としては、抗不整脈薬による投薬治療のほか、頻脈では心臓カテーテル手術や、植込型除細動器(ICD)を埋め込む場合もあります。
また徐脈の治療では、心臓ペースメーカを埋め込む場合もあります。
予防
不整脈は生活習慣の乱れが大きな原因となっていることもあるので、まずは生活習慣の見直しを、専門医の指導の下で行いましょう。
また、もともと心臓病の症状を持っている人は、狭心症の自覚症状がなくても定期的に心電図検査を受診することをお勧めします。
動脈硬化症
症状
動脈硬化症はその言葉通り、動脈が劣化して硬くなってしまう症状です。動脈硬化症になると、血液がうまく送り出せなくなり、心臓に負担がかかります。
さらに、錆び付いた水道管のように血管の内部がもろくなり、はがれた組織が血管を詰まらせることもあります。
動脈硬化症は、すべての人が動脈硬化を発症する可能性があります。心不全や高血圧、心筋梗塞、狭心症、脳出血などを引き起こす原因となりますが、自覚症状がほとんどないため、「沈黙の殺人者」とも呼ばれています。
検査や治療
動脈硬化の検査には、「CAVI(キャビィ)検査」が一般的です。両腕や両足首の血圧と脈波を測定し、血管の硬さや詰まり具合、血管年齢を測定します。
その他、頸動脈エコーでも動脈硬化の有無を診断できます。
動脈硬化の症状に大きな影響を及ぼす血管の内皮機能は、FMD検査で測定できます。
動脈硬化の治療としては、何よりも生活習慣の改善を専門医の指導のもと行い、症状が悪化しないようにコントロールと監視をすることが大切です。
また投薬治療も場合によっては行います。
予防
動脈硬化症は生活習慣の乱れが大きな原因となっているので、まずは生活習慣の見直しを、専門医の指導の下で行いましょう。
その他の主な病気について
心臓弁膜症
心臓弁膜症とは、血液の逆流を防ぐための心臓の弁が、炎症や外傷などによって血液の流れを妨害し、心臓の活動に支障をきたす症状です。
弁膜症には閉鎖不全症と狭窄症とがあります。
心臓弁膜症は、弁が癒合して狭くなる「狭窄症」と、弁の閉鎖が不完全な「閉鎖不全症」の2つがあります。
心筋症
心筋症は心臓の筋肉の病気で、遺伝子やウイルス感染、免疫反応などが原因と考えられていますが、多くは不明のままです。
心筋症の中でも、風船のように心臓が膨らむタイプを「拡張型心筋症」と呼びます。
症状としては体のだるさや息切れ、動悸、むくみなどがあります。
高尿酸血症
血清尿酸値が7.0mg/dlを超えた症状が、高尿酸血症です。この状態が長く続くと、血液に溶けきれなかった尿酸が関節に沈着し、痛風を誘発します。
血清尿酸値が高いと、肥満や脂質異常症、高血圧などのいわゆるメタボリックシンドロームの危険性が高くなります。
高脂血症
高脂血症は脂質異常症とも呼ばれ、血液中のコレステロールや中性脂肪が多すぎたり、コレステロールが少なくなったりする病気です。
放置しておくと、血管の動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳卒中などの病気を誘発します。